皮膚科は、皮膚の疾患の診療を目的とする臨床医学の一分科です。身体から鼻、耳、口の中まで器具を使わずに肉眼で見える範囲が診察範囲となります。さらに、これに加えて皮膚の付属器として爪や髪の毛があります。このために、爪の異常や薄毛も皮膚科で取り扱っています。
疾患を対象とした治療は、健康保険が適用される保険診療に分類されるので、費用は一部負担のみとなります。皮膚科で治療を実施しているドクターが皮膚科医で、名前が示している様に皮膚の診察を専門としています。皮膚の疾患数は2000を超えるという説もあるほど多彩で、しかも軟膏治療の特殊性もあることから非常に専門性の高い診療科です。現代医学をベースとした治療を実施しており、どこに異常が生じているのかを検査により特定した上で、これに対して直接アプローチすることで改善するという内容です。
なお、この専門社団法人が日本皮膚科学会で、専門領域におけるいくつかの症状については、標準治療の推進を目的とした診療ガイドラインを作成しています。例えば、2010年に作成した男性型脱毛症の診療ガイドラインでは、市販されている育毛剤に配合されている成分も含めて、エビデンスが確認されているものから順番にランク付けを行っています。これにより、科学的に根拠のある治療法が判明するので、民間で行われている一部の荒唐無稽な治療による犠牲者を減らすことにつながり、社会を安定させるという意味でも貢献しています。